考えることと考えないこと

考えることと考えないこと

子どもの頃の私は、物事を深く考えず、感情のままに行動するタイプでした。やりたいことはとりあえずやって、後のことはその時に考えればいい。そんなふうに生きていて、「今が楽しければそれでいい」と思っていました。

しかし、東日本大震災を経験し、「自分もいつ死ぬかわからない」と強く実感しました。それからは、今を一生懸命生きようと決め、物事をよく考えるように意識しました。自分自身を理解しようと分析し、考える癖をつけることで、多くのことに挑戦できるようになりました。その結果、望んでいた成果を得ることもできました。

ところが、そんな中で私は心の病を患ってしまいました。それ以来、常に症状のことや、病気になった原因を考え、「どうすれば治るのか?」と模索しながら行動していました。

しかし、心の病の発作においては、「深く考えすぎてはいけない」と言われています。(症状によりますが)体調が悪いときは、別のことを考え、リラックスすることが大切です。自分の体に意識を向けるのではなく、気を逸らすことが必要でした。私の場合、深呼吸すら逆効果でした。

それでも、発作の初期の頃は、深呼吸をすれば症状が和らぐこともありました。そのため、「体に意識を向けて対処しよう」と思い込んでいたのです。しかし、症状が悪化するにつれて、自分ではどうすることもできなくなりました。いくら考えても良くならず、むしろ悪化していくばかり。何を試してもダメで、先が見えないことに不安が募るばかりでした。来る日も来る日も症状がひどくなり、どうにもならない日々が続きました。

そんな時、「考えても無駄なら、いっそ考えるのをやめよう」と思いました。私の場合、症状の先には「このままどうなってしまうのか」という恐怖がありました。その恐怖があふれ、息苦しくなり、動悸が激しくなり、わけがわからなくなる。しかし、ある時、発作の苦しさよりも「どうにもならない現状」への怒りのほうが勝ってしまいました。

「もう、どうにでもなれ!」

本気でそう思い、「考えるのをやめた」のです。症状に逆らうのをやめ、ただ身をゆだねました。すると、不思議なことに、スーッと症状が落ち着いていったのです。肩の力が抜け、楽になった瞬間でした。

「症状の先には、何もなかったんだ——」

そう心から思えた出来事でした。

もちろん、その後も体調の波はありますが、発作のような激しい症状は少しずつ落ち着いてきました。

これはあくまで私の経験談です。同じような状況の方にとって、参考になるかどうかはわかりませんが、「こんなこともあったんだ」と思っていただければ幸いです。

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